この記事はジブリ美術館に行ってきた自分用の記録です。
体力もセンスもないけれど、ジブリ美術館をミラーレス一眼カメラで撮影したい!という前のめりな思いを叶えるために、唯一所有している重さ1Kgのレンズの代わりに、250gの軽いレンズ(Helios-44M-6 58mm F2)を新たに購入してみた。
購入したヘリオスは、一番人気の44M-2ではなく1990年代に製造されたマルチコーティングの44M-6。厳密にはオールドレンズの定義から外れてしまうかもしれないけれど、ぐるぐるボケや写りの甘さなど十分オールドレンズの雰囲気を楽しめるレンズ……のはず。
ジブリ美術館はどんな風に写ってくれるのだろうとワクワクしながら出向いてみたけれど……!?
2024年7月17日(水) 10時入場
9時53分。
ジブリ美術館には10分前に到着。トトロのニセ受付まで伸びている待機列の後方に並んだ。
なんということでしょう、ヘリオスの58mmだと画角に収まらない! もっと距離を取ればトトロのニセ受付の全体を撮影できるのだけど、一人で来ているので待機列から離れることはできない。入場が始まっていて待機列が動いているので、じっくりピントを合わせることもできなかった。先行き不安なスタート!
この日も外国人8割ぐらいの印象。
ケーキハウス手前から撮影。建物も画角に収まりきらないぞ?
10時04分頃に入場。フィルムチケットはコクリコ坂のカルチェラタン。
パティオ
10時07分。ロッカーに荷物を預けて、誰もいないパティオで撮影。
壁際の限界まで離れてもパティオ全体が画角に入りきらない。何でも写してくれるスマホの広角レンズって凄い。
58mmの単焦点レンズで風景を撮るのは諦めて、撮れそうな物を探して撮影していくことにした。
カフェ 麦わらぼうし
注文1回目
10時30分。
カフェ 麦わらぼうしのオープン待ちの待機列に並ぶ。レジで注文するまでにどんどん座席がキープされていく。一人で来ている私は列から外れて座席取りができないのだけど、なんとか窓際の席に座ることができた。
注文したもの
・麦わらぼうしのホットドッグ
・カラフルなカポナータ
・柑橘とクリームチーズのひんやりブッセ
・コーヒー(冷)
ひんやりブッセ、おいしい〜。
注文2回目
11時07分。
店内の座席を確保したまま、デッキ販売のメニューを注文。
注文したもの
・森のソフトクリーム(ミックス)
・麦茶(冷)
夏季のソフトクリームはさわやか。
ブログのカフェメニュー紹介記事に載せる写真を撮りたくて、失敗しないスマホで撮影。帰宅後に、ミラーレス一眼で撮影すれば良かったと悔やむ。
ショップ マンマユート
12時00分。
購入したもの
・美術館パズル352ピース「ある晴れた日」
・指人形おりがみ「千と千尋の神隠し」
・コロぬいぐるみS
・ピンバッジ「大トトロ ニコニコ」
・ピンバッジ「ムゼオ虫 ブラック」
・マンマユート手提げ袋M
映像展示室 土星座
上映作品:コロの大さんぽ
2月の上映以来2回目の鑑賞。舞台の東小金井は以前数年間住んでいた場所。2000年当時の懐かしい風景を見逃すまいとスクリーンを凝視し続けた15分間だった。
高架じゃない線路のピーコック前の踏切とか、記憶の中に残っていた景色が鮮やかに甦って泣いてしまう。
中央ホール
夢の中の景色そのもの。
ここにいる私は、なんて幸せなんだろう。
動きはじめの部屋
13時。
ちょうど午前のBGMから午後のBGMに切り替わる時間で、立体ゾートロープ「トトロぴょんぴょん」の裏にあるバックヤードにスタッフの方が入っていき、しばらくしてからBGMが切り替わった。
大好きな午後のBGMを聴きたくて、スピーカーの近くで傾聴する。
約5分の曲を最初から最後まで聴く、というのを4回ぐらい繰り返した。その間20分くらい、部屋の片隅で突っ立ったままの人になっていた。邪魔だったかもしれない。
来月訪問まで聴くことができないのが辛いと思えるほど、この曲が好きでたまらない。
曲のタイトルが知りたくて、中央ホールの受付のスタッフの方に尋ねてみた。
するとカウンターの下から分厚いファイルを取り出して、極秘資料(?)の膨大なリストの中から、動きはじめの部屋の午後のBGMのタイトルを探してくださった。
午後のBGMのタイトルは、「Musica del Museo」(ジブリ美術館オリジナルBGM1)
ムジカ デ ムゼオ。「美術館の音楽」という意味のイタリア語だ。
Musica del Museo!!
どうかジブリ美術館オリジナルBGMのCDを販売してください。お願いします。
カフェ 麦わらぼうし
注文3回目
14時11分。
店内は満席だった。空席のあったデッキ席へ行く。
外の気温は35度くらいで、ミスト扇風機が稼働していたけれど、蒸し風呂の中にいるみたいだった。
暑すぎてオムレットの生クリームが溶け落ちるので、ちゃちゃっとスマホで撮影。
みかんジュースが天国にいるみたいに美味しかった。
注文したもの
・みかんジュース
・よくばりフルーツのオムレット
14時33分。
企画展示「君たちはどう生きるか」展/第二部レイアウト編
先月は泣きすぎて訳わからん状態で鑑賞していたので、今回は心を落ち着かせてじっくりと鑑賞しようと努める。けれどもやはりレイアウトの生々しい筆跡や迫力に圧倒されてしまい、また泣きそうになってしまう。
Bパートで眞人が大伯父の塔に入っていくシーンで、塔の入口に彫られた「Fecemi la divina potestate」がどういう意味なのか、企画展示室のスタッフの方に尋ねてみた。
ところが、その場では明確な答えは得られなかった。
常設展示室「映画の生まれる場所」で展示中の「君たちはどう生きるか」の絵コンテを調べてみたら、何か説明書きがあるかもしれないですね?という会話を交わし、私は「後で確認してみます」と返答し、引き続きレイアウト展を鑑賞した。
どのレイアウトも強力な磁場が発生しているのかと思うほど引きつける力がすごくて、なかなかひとつのレイアウトから次のレイアウトへと動き出すことができなかった。
常設展示室「映画の生まれる場所」
常設展示室を訪れるたび、自分の部屋をこんな風にしてみたいと思う。
「君たちはどう生きるか」の絵コンテが展示している部屋で塔の入口のカットを確認。「Fecemi la divina potestate」とは書かれていない。どの段階で、誰が「Fecemi la divina potestate」にしたのだろうか。
答えが見つからないまま絵コンテの部屋を出ると、レイアウト展で会話をしたスタッフの方とばったり出くわした。
「Fecemi la divina potestate」は、ダンテの神曲の一節だと、わざわざ私に教えに来てくださったのだ。
そんなに親切なことってある!?
どうやって調べたのか尋ねてみると、ネットで検索したら詳しく解説している人のサイトが見つかったとのこと。
私は「君たちはどう生きるか」の映画公開以来、考察や解釈をあえてシャットアウトしていたので、その情報を取りこぼしていた。
というか、ダンテの神曲だと判明したことよりも、そのスタッフの方の優しさに感激してしまう。
ジブリ美術館では、夢の世界の出来事みたいなことが、普通の出来事として存在している。
ショップ マンマユート
15時30分。買い物客でごった返している。
購入したもの
・美術館ロゴS 缶バッジ
・ジブリミュージアム 缶バッジ
・ミニタオル「トトロと正門看板」
・マスキングテープ 1
・マスキングテープ 2
・立体プリントボールペン「ネコ電車」
・カードセット
図書閲覧室「トライホークス」
16時頃。
購入したもの
・サン=テグジュペリ『夜間飛行』(宮崎駿の装丁画)
ブックカバーは青色を選んだ。
カフェ 麦わらぼうし
注文4回目
16時03分。
店内の席に座ることができた。この時もスマホで撮影。
注文したもの
・山盛りポテトフライ
・コーヒーフロート
・コーヒー豆
館内・屋外散策
中央ホール、螺旋階段、せり出したテラス、空中渡り廊下、手すり、ランプ、ステンドグラス、窓枠、天窓、案内看板。
ここは夢の中。
地下1F 中庭
17時20分。
気付いたら、閉館まで残り40分しかない!!
2階 ネコバスルーム前のテラス
17時30分。
屋上庭園
17時40分。
動きはじめの部屋
17時45分。
もう全然時間がないけれど、最後にもう一度「Musica del Museo」を聴きに動きはじめの部屋へ。
ああ、好きだ……。
閉館〜退場
閉館時間の18時。
10時入場で18時までフルで滞在するのは、今回が初めてだった。
自分には8時間も滞在できる体力はないと思っていたのに。
持ち歩くのは無理だと諦めていたミラーレス一眼を携え、ジブリ美術館をフルタイムで楽しむことができた1日。
ジブリ美術館の魔法の力を借りて、少しだけ成長できた気がする。
ちっぽけなことだけど、めちゃくちゃ嬉しい。
使った金額
・麦わらぼうし:6,080円
・マンマユート:13,609円
・トライホークス:605円
・チケット代:1000円
・コミュニティバス:320円
合計:21,614円
まとめ
・ミラーレス一眼とオールドレンズで撮影
・動きはじめの部屋の午後のBGMのタイトルは「Musica del Museo」
・「君たちはどう生きるか」大伯父の塔入口の「Fecemi la divina potestate」はダンテの神曲の一節。
・ダンテの神曲はスタッフの方がわざわざ検索して探してくださった。
・10時から18時閉館までフル滞在できた。
夢と現実のはざまでうつろうジブリ美術館。自分もその景色のひとかけらとなった貴重な8時間だった。
#1から#5の備忘録も今年中に書いてしまいたい。